第6回勉強会の内容 ②日本は財政破綻するか!? ~パートⅡ~
日本は財政破綻するか!? ~パートⅡ~(矢吹氏)
パートⅠへ鴻鵠の会勉強会資料 2011年12月2日(金)
「通貨を知れば経済が読める」 浜 矩子
・浜 矩子
同志社大学大学院 ビジネス研究科教授
一橋大学経済学部卒業
三菱総研 エコノミスト
現 同志社大学大学院 ビジネス研究科教授
世界一の債権国である日本は財政破綻しない。
ドル基軸通貨体制から多通貨体制へのシフト。
(財政破綻しない理由)
国民性。右を向けと言われれば一斉に右を向ける国民性。
流血なしに改革を実行できる。(明治維新)
大阪維新の会で起きたよう、利権主義が崩壊してきたこともあり、
経済発展による税収の確保と官僚主義の脱却により財政再建。
「世界経済は通貨が動かす」 行天豊雄
・行天 豊雄
公益財団法人 国際通貨研究所 理事長
東京大学経済学部卒業
大蔵省入省
国際通貨基金、アジア開発銀行、国際金融局長、財務官を経て、
三菱東京UFJ銀行特別顧問。
小渕内閣、内閣特別顧問。
内閣官房参与。
ドル基軸体制から多通貨体制へシフト。
日本が発展するには・・・
日本人の資質(繊細さ)、国民性を力として使う。
弱点はアイディアを実行に移すだけの行動力、実行力の欠如。
現在の円高を利用し、来るべき円安の時に利益を享受するという考え方。
(円高を悲観的に捉えず、メリットとして戦略的行動をとるべき)
企業・・・
海外への投資、M&A、生産拠点、販売拠点の拡大
個人・・・
通貨の分散
「ドル暴落後はこの外貨で儲けなさい」 中丸友一郎
・中丸 友一郎
マクロ・インベストメント・リサーチ代表
一橋大学経済学部卒業
日本輸出入銀行、世界銀行エコノミスト、JPモルガン主席日本エコノミスト、
ロイタージャパン投資調査部長を歴任。
2012年までドル安。1$=42円もありえる。2013年から1$=100円に回復。
オバマ緊縮財政から、共和党へ政権移譲。積極財政政策とFRBパーナンキ議長主導の
第3次量的緩和により再度のドル覇権主義の到来。
世界一の対外純資産、国際の国内での償還により財政破綻は無い。
日本が再び強い国になるには・・・
積極財政政策しかない。
良い円高、悪い円高。良い円安、悪い円安。
良い円高とは好景気の際、生活者の観点から輸入品を安く買え、購買力の増加に繋がる。
悪い円高は景気が悪いとき、輸入品を安く買えても、購買力の増加に繋がらない。
【考察】
国債発行額:1,000兆円
国民純資産:1,100兆円
赤字国債発行額:45兆円/年
対外純資産:260兆円
この状態のまま進むと、9年間で逆転をする。
ただ対外債務という点では赤字国ではないので、財政破綻(デフォルト)することは無い。
IMFからの警告:
日本の債務「持続不能な水準」=世界経済のリスク-IMF通告
財政再建は必要。
国債価格の下落(個人的には急落はしないと思います。)
↓
長期金利の上昇
↓
インフレ基調
↓
通貨安
○国債価格と長期金利
10年国債の価格
100円(表面利回り2%と仮定)
100円 → 102円 2%
↓ 国債価格が下落
98円
98円 → 102年 約4% ←長期金利
財政状況により、為替に影響を少なからず与える影響はあるかもしれないが、
財政だけが通貨の為替に影響を与えるわけではなく、関係性はあまりない。
○アメリカのインフレと為替の関係
1990年代
1$=140円 ビックマック価格:3$
↓ 年3%のインフレ
2011年
1$=78円 ビックマック価格:4.2$
【基軸体制のドルとインフレと日本の生活者の関係】
日本の食料自給率(カロリーベース):40%
日本のエネルギー自給率:4%
決済は全て米ドル
デフレ、円高により、インフレを吸収。価格転嫁されなかったため、実生活における影響を感じない。
ただ、ここまでの円高であれば、本来であれば今以上の物の価格の値下がりがあるはず。
※つまり、円安、インフレへシフトすることにより、生活者への影響が高い。
■「この状況がもたらす事象」
・二極化の拡大
・低所得者の生活環境の悪化
要因:
・TTPによる郵政などの半官半民、公務員労働環境への実力主義の導入。
・大阪維新の会で起きた既得権益や利権社会の崩壊。
・社会保障費の削減
・デフレ脱却による悪い円安と徐々に起こるインフレんによる生活者への圧迫。
パートⅠへ
日本の財政破綻とその対策については下記で考察
消費税増税による今後の日本経済について